りれきしょ近代博物館

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日本発!履歴書の歴史を紹介します!!

はじめに

履歴書近代博物館へようこそ ここでは履歴書の歴史をお話ししましょう。

履歴書様式の歴史

日本の履歴書はいつ頃からあったのでしょうか?興味深い話ですが、あまりにも昔のことは分かりません。筆者がかつて出演した「ニューデザインパラダイス」という番組(2006年2月25日フジテレビ放映〜夜中の番組のため見た人がいない)の中で、日本の履歴書は、侍の就職活動から始まった!という話がありましたが、今でいう履歴書と同じようなものとしてよいかどうか疑わしく、本当のところはわかりません。現在の履歴書は企業へ就職したい人が選考の資料として、学歴や職歴などを記した書類です。このように見て、日本に会社が初めてできた明治時代からの履歴書はどのような形になっていたか、そこから見てみることにしましょう。
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タイムライン形式で過去の履歴書を紹介していきます!!

明治・大正から昭和25年前後まで

履歴書

明治・大正から昭和25年前後までの履歴書は、おそらく左記のようなものでありました。

どうでしょう!筆記具も、筆で一字・一字黒々と書かれていますね。

これでは、字が下手ですと様になりません。さらに字が書けない人は、どうしようもありません。昔の人は字が全員上手かったわけではないでしょう。

したがって、代書屋に依頼して書いてもらうことも多かったことが推測されます。

今でも履歴書を書くのは大変だ!といいますが、昔はもっと大変だったのです。

もっとも、昔は第一次産業に従事する人が多く、会社も少なかったので、今のように多くの履歴書を会社に出すことはなかったのでしょう。

しかし、時代も変わり、このような履歴書を書くことから、もっと楽な方法がないかが模索され、一定の様式が作られるようになりました。

次の様式は当社が日本で最も早く出版した戦前の履歴書です。

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戦前の履歴書

どうですか!縦書きで、本人自筆となっています。表題から一字一句筆で書くことよりは楽になったでしょう。

記載事項は「戸主又ハ家族ノ別」、「原籍」(本籍のこと)、「係累」(面倒を見なければならない家族のこと)、「兵役」など、時代を表していますね。

若い人は意味も分からない人もいることでしょう。

履歴書
戦前の履歴書
履歴書

履歴書は現在の形になったのは、昭和28年のJIS規格Z8303(帳票の設計基準の様式例)です。

このときの様式の大きさはB判(日本固有の規格)で、表には氏名、生年月日、家族欄などの記入欄で、裏には経歴の欄がありました(写真欄はありません)。

昭和31年改正 JIS規格帳票

昭和31年にJIS規格が改正され、履歴書に初めて写真欄が設けられました。

履歴書
昭和38年改正 JIS規格帳票
履歴書

昭和38年にも改正がされましたが、この改正は軽微なもので、内容は昭和31年の改正とほぼ同様です。

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履歴書の大波乱 〜 昭和48年  JIS規格からの削除 〜

その後、履歴書に大波乱が起きます。
それは、履歴書に「本籍地」「家族欄」などを設けるのは、差別につながるという問題が大々的に起きたことです。

これにより、履歴書メーカーは従前の履歴書から本籍地を削除した様式としなければならず、市場に出回っていた履歴書をも回収するという大騒ぎに発展しました。

このため、昭和48年7月にJIS規格から履歴書の例が削除されました。

しかし、このJIS規格で再び様式例としての履歴書を示して欲しいとの要望が多くあり、2年後の昭和49年7月に、現在の形とほぼ同じ内容のものとして再びJIS規格Z8303に履歴書の例として掲載されることとなりました。

履歴書
平成2年、10年改正 JIS規格帳票
履歴書

その後も平成2年の改正では、用紙の規格をB判原則からA判原則に「する」、「しない」の大論争があり、結果的にはB判原則となりました。

しかし、平成10年改正では、B判原則が覆り、A判を原則とすることとなり、また、帳票の内容では「印鑑」の欄が削除されました。

※B判とは日本固有のサイズ(江戸時代の徳川家身美濃紙がルーツと言われています)で、A判は国際規格のサイズ。

履歴書
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平成20年改正  〜 現在 JIS規格帳票 〜

その後しばらくはJIS規格帳票に改正はありませんが、平成20年には、応募者と保護者の姓が異なる場合や保護者が女性の場合に母子家庭とみられる等の理由から、帳票から保護者欄が削除され、現在に至っています。

履歴書
著者コラム
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履歴書と規格とJIS規格

JIS規格とは、日本工業規格(JAPANESEINDUSTRIAL STANDARD)の略称で、工業標準化法に基づき日本国が制定した規格です。

この規格の中に「帳票設計基準」という、他の国にはない日本独特の規格があります(Z8303)。

ここには、帳票設計の基準が設けられ、それに基づく帳票例として、履歴書、注文書、伝票などのモデル様式が示されています。

市場で履歴書のJIS規格帳票と表示されているものは、このモデル様式例に則った履歴書であるということです。

当初は数多く使用される様式であるため、帳票の設計基準に則った例として掲載されていたのでしょう。

しかし、その後就職に差別が生じてはいけない等の理由から、各企業が勝手に作成するよりも、このモデル例による履歴書に則り、皆さんが行うことにしましょう!というように意味合いが変わってきたと思われます。

履歴書
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履歴書の過去と今後

日本独特の金太郎飴のような履歴書

かつて筆者のところに英国の記者が日本の「履歴書」につき取材に来たことがあります。
そこで、日本人のほとんどは、JIS規格の様式例で定められた「履歴書」に手書きで記入し、会社に提出することを説明したところ、英国の記者は相当驚いた様子でした。

まったく個性の感じられない金太郎飴のような履歴書で、採用担当者が記入された字を見て人物判断をするという不可思議な状況にビックリしていたようです。

欧米ではレジュメと称し、いかに自分をアピールするかを綿々と書き連ねる方式が普通です。このような日本の状況は、いかにも日本人的な特徴を表しているようです。

英国の記者とも、ひょっとすると、戦後の日本企業が、規格が統一された金太郎飴のような社員を要望していたことと連動するのではないか、などと話し合ったものです。

台湾で同じような書式を発見!

履歴書
履歴書
このような履歴書は日本のみであると思っていましたが、その後台湾で同じような書式を発見!

日本独特の金太郎飴のような履歴書

その後、わが国でも履歴書において自分をアピールするという傾向が出てきました。

履歴書に「自己紹介状」、「職務経歴書」、「技術証明書」を付け、自分はこのような技術を持っています、ということをアピールする方法です。

会社側でも、履歴書1枚だけよりも、このように自分をアピールできる書類がついていた方が就職への熱意が感じられます。

また、パートタイマーのような場合には、履歴書に「好きな学科」などとあっても困ってしまうケースがあり、より簡略化した履歴書の要請もありました。

このように現在においては履歴書も、より多彩に進化し、各ケースに応じた履歴書を選択するようになっています。

履歴書は採用を直接左右するわけではありませんが、履歴書にチョットした工夫を加えたり、バリエーションをつけたりして、自分をアピールすることは必要なことです。
最近のように、就職難が続く世の中では、なおさら気になるところでしょう。

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履歴書を書く前にやるべきこと

ところで、現在において履歴書の作成上、最も重要なことはなんでしょう!

字を上手に書くことですか?
自己紹介状や職務経歴書を上手く書くことですか?

市場の履歴書を見ると、字が上手く書ける履歴書とか、職務経歴書はこう書く、とかを売り物にしている商品が多くみられます。

しかく履歴書を書く上で、最も重要なことは、
字をうまく書くことではなく(下手でも丁寧に書けばよいだけ)、
職務経歴書を上手く書くことでもなく、

どうしたら自分と就職したい会社がマッチングするのか

を考えて履歴書を作成することです。

会社側から求職者を見たとき、会社が何を作っているのか、どんなサービスを生業としているのかも知らずに応募してくる人がいても、まったく好感を持つことができません。

この会社は何をやっている、その業界は何が問題なのか、会社の理念は何か、現在の会社の問題点は何か、分かる範囲内で調べてみましょう。

そして、自分はそこで何ができるか、自分の特長を活かせるかを常に考えてみることです。

そこに独創性が生まれ、仮に何の取り柄がなくても、面白いヤツだと思わせることが重要なので。

毎回、字を上手く書くとか、職務経歴書を上手に書こうという姿勢を繰り返していたのでは、何通もの履歴書を出しても成功しません。

履歴書を書く前にやるべきことがあるのです。

会社に入社しても、会社で欲しい人材は独創性のある人です。
勉強ばかりできても、言われたことしかやらない人、言われたこともできない人は大成できないのです。

こうして見てみると、己を知り、相手を知り、履歴書を書くことは大変重要なことなのです。

さらに、このような履歴書作成の過程を経て、面接に臨めば、かなり大きな武器を持って対処することができるのです。

ぜひ、今から、履歴書を書く前に次のことをやってみましょう。
成功の確率はグーンと高くなるのです!

成功の秘訣は…